田山花袋 太田玉茗もの

田山花袋 太田玉茗もの 「縁」 「蒲団」に続く出来事。 花袋の口添えもあって、再び東京に文学修行に出ることが許された女弟子。花袋の養女となり、「蒲団」で花袋の恋敵だった青年との間に子供ができて、駆け落ちして…。 女弟子の赤ちゃんは、玉茗に引き取…

『太田玉茗の足跡』

『太田玉茗の足跡』原山喜亥 編著まつや書房 2013年 『田舎教師』のモデルとなった青年が建福寺に下宿した時、玉茗は30歳だったんだ。もっと年齢がいってるイメージだった。45~50歳くらい…。 青年が、玉茗夫婦が一緒にお風呂に入っているのを見てしまうシー…

田山花袋 羽生もの

田山花袋 羽生ゆかりの小説 羽生市のホームページに紹介されていたので、読んでみた。 「Mの葬式」と「騎兵士官」は、全集に収録されていなかった。『縁』は、読まなかった。 全部に、羽生市にある建福寺の住職、太田玉茗が出てくる。 『妻』(全集の1巻に収…

『再び草の野に』

『再び草の野に』田山花袋大正14年刊 明治36年4月。羽生市に、東武伊勢崎線の「暫定」川俣駅が出来た。明治40年8月。利根川に鉄橋が掛かって、羽生市の川俣駅は役目を終えた。 『再び草の野に』とは、何もない草っぱらに駅が出来て、街が出来たけど、通過駅…

『田舎教師』

『田舎教師』田山花袋明治42年刊 こんなにさみしい小説だったけ。 主人公は、実在した青年。明治37年に、21歳で病死した。 一つのさみしさを乗り越えると、新しいさみしさが待っている。そんな人生だった。 田山花袋は、青年に面識があった。そして、青年が…

『鳥の詩 死の島からの生還』

『鳥の詩 死の島からの生還』 三橋國民 角川ソフィア文庫 平成17年 昭和16年、21歳の時に応召、ニューギニアに派遣。 分隊員40人の中で、生き残った2人のうちの1人。 昭和21年生還。 三橋さんは、沢山の死に立ち会った。 その死に対して、解説にも書いてあっ…

『春泥尼抄』

『春泥尼抄』 今東光 新潮文庫 発端は、河内音頭の盆踊りの夜。 火花のような一瞬のパッションが、教師と児童(!)の間に散った。 先生は、教師を辞め、夢を追って東京の大学に入った。 児童は、口減らしのために尼僧になった。 そして数年後に、再会する。…

『ポリス・アット・ザ・ステーション』

『ポリス・アット・ザ・ステーション』 エイドリアン・マッキンティ 訳 武藤陽生 ハヤカワ・ミステリ文庫 「解説」を読んでいて気が付いた。 「解説」では、歴代ヒロインが紹介されている。 2作目『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』のヒロインの名は、エ…

『小説河内風土記 巻之六』

『小説河内風土記 巻之六』 今東光 図書館には、『巻之六』が無い。 古本で探したけれど、『小説河内風土記』自体が無い。 『巻之六』の各作品のタイトルを見ると、面白そう…。 『う』 『鼬』 『隠沼』 『尼僧の子』 『寝腐れ髪』 『しゃも寺』 『浮世の子』…

『小説河内風土記 巻之五』

『小説河内風土記 巻之五』 今東光 『仏心』 どうしても最後に内海桂子師匠の説経が聞こえてくる、尼僧もの。 『毛蟹』 毛蟹に関しては、『お色気大賞』。 さこみちよさんの「ウハハハハハ」という、豪快な笑い声を思い出す。 でも、状況は辛い。 『裸蟲』 …

『小説河内風土記 巻之四』

『小説河内風土記 巻之四』 今東光 『尼講』 またもや内海桂子師匠のお説教を思い出した。 けれど、バカボンのパパの「これでいいのだ」なのかもしれない。 『月下の河内野』 これまで浅吉だったけれど、巻之四で、朝吉になった。 『悪名』の朝吉と違って、…

『小説河内風土記 巻之三』

『小説河内風土記 巻之三』 今東光 巻之三は、色欲回。 『おんば』 流行り病で両親を亡くした、20歳と17歳の姉妹の話し。 二人は、結婚することなく、妊娠→出産→乳母を幾度か繰り返す。 子供たちは、一人を残して養子に出す。 不幸な話しなのだけれど…。 物…

『印(サイン)』

『印(サイン)』 アーナンデュル・インドリダソン 訳 柳沢由美子 東京創元社 終盤、分からなくなってしまった。 マリアは、本当は、母親を見なかったのか? マリアの、「あれは事故だった」という言葉で、一気に分からなくなった。 バルドヴィンの、「あれ…

『小説河内風土記 巻之二』

『小説河内風土記 巻之二』 今東光 東邦出版社 昭和52年 巻之二は、全話、夫婦、家庭のお話し。 『覗きからくり』。 作次は、自分が働く飯場のお金を横領して、人妻に貢ぎ、駆け落ちした。 そして、夫婦で覗きからくり屋になった。 もう、覗きからくりを楽し…

『小説河内風土記 巻之一』

『小説河内風土記 巻之一』 今東光 昭和52年 東邦出版社 面白い。 今東光は、昭和26年から昭和50年まで、八尾市の天台院で住職をしていた。 その時に触れた、河内の人情風俗を短編小説集に仕上げたもの。 野卑で、泥臭くて、無遠慮で、エロで、ケチ。 そして…

『悪名』

『悪名』 今東光 1960年 「週刊朝日」連載 朝吉、17歳~20歳の設定。 途中から、こんな渋い10代いないでしょうと思った。 でも、17歳の朝吉は、リアルだった。 AZUMI説法の、朝吉に徴兵令状届くのくだりは、きっと映画バージョン。 小説では、貞も朝吉も、「…

「ジョン・リーバス警部シリーズ & マルコム・フォックス警部シリーズ」

「ジョン・リーバス警部シリーズ & マルコム・フォックス警部シリーズ」 イアン・ランキン 延原泰子訳 早川書房 定年退職したリーバスだけれど、一作目『他人の墓の中に立ち』では、民間人として、コールドケースに関わる。 二作目『寝た犬を起こすな』では…

「警部補マルコム・フォックス シリーズ」

「警部補マルコム・フォックス シリーズ」 イアン・ランキン 訳:熊谷千寿 新潮文庫 だが、だめだ。やはり、考えられない。自分の暮らしに慣れ過ぎて、今の暮らしが気に入っている。うまくいかない……。 このセリフ、リーバスが言ってもよさそう。 フォックス…

「ジョン・リーバス警部シリーズ」2

「ジョン・リーバス警部シリーズ」2 リーバスは、1作目の『紐と十字架』での仕事が認められて、2作目の『影と陰』で刑事部長から警部に昇進した。 1作目のリーバスは、41歳。 『影と陰』のあと、3作目から6作目は翻訳されていない。 7作目の『血の流れるま…

「ジョン・リーバス警部シリーズ」1

「ジョン・リーバス警部シリーズ」1 イアン・ランキン 早川書房 『紐と十字架』 リーバス、41歳。刑事部長。 リーバスは、高校卒業後、軍隊に入った。 S.A.S(イギリス陸軍特殊空挺部隊)で、心を病んで除隊し、警官になった。 対テロリストの新チームに入る…

『レイン・ドッグス』

『レイン・ドッグス』 エイドリアン・マッキンティ 武藤 陽生 訳 早川文庫 ダフィ、おめでとう! これは、チャンスだよ。 納屋の中にあるアレは断捨離するのだ。 前作で、ケイトも心配していたよ。 でも、ダフィの孤独タイムが好きだったので、ちょっと寂し…

『ロンドン・ブールヴァード』

『ロンドン・ブールヴァード』 ケン・ブルーエン(今回から、ウがエに変わった) 鈴木 恵 訳 新潮文庫 この作品は、映画化されている。 観たことはないけれど、どうやら、カッコイイ話しになっているよう。 原作は、悪趣味で、グロテスク。 ロンドンが舞台で、…

『アメリカン・スキン』

『アメリカン・スキン』 ケン・ブルーウン 鈴木恵 訳 早川文庫 アイルランドのゴールウェイで銀行強盗を犯したスティーブが、アメリカに高飛びして、アメリカ人になりきろうとする話し。 描かれるアイルランド人たちが、とても沁みる。 アイルランドには、何…

『ミレニアム1~3』

『ミレニアム1~3』 スティーグ・ラーソン ヘレンハメル美穂・岩澤雅利 訳 ハヤカワミステリ文庫 とても評判の良い作品なのだけれど、付いていくのが大変だった。 でも、遺されていたシリーズ4の草稿は読んでみたい。 「1~3」は、スティーグ・ラーソンが、…

「ヨーナ・リンナ警部 シリーズ」

「ヨーナ・リンナ警部 シリーズ」 ラーシュ・ケプレル どこかに、「殺人者は、対象者を、自分の物語に取り込む」みたいなことが書いてあった。 作者は、登場人物を自由に動かして、物語を完成させる。 殺人者の物語のテーマは、自分の欲望の充足。 6作目ま…

「私立探偵ジャック・テイラー シリーズ」

「私立探偵ジャック・テイラー シリーズ」 ケン・ブルーウン ハヤカワミステリ文庫 東野さやか 訳 舞台は、アイルランドのゴールウエイ。 2作目『酔いどれ故郷に帰る』の依頼主は、「ティンカー」。 注には、(アイルランドの漂泊民のこと。いわゆるジプシ…

「エーランド島四部作」

「エーランド島四部作」 ヨハン・テオリン ハヤカワミステリ文庫とハヤカワポケットミステリー 三角和代 訳 『黄昏に眠る秋』 幼い息子が行方不明になって以降荒れていたユリアが、変わっていく。 つかのまユリアは、無駄にしてきた歳月をずしりと胸にのしか…

『許されざる者』

『許されざる者』 レイフ・GW・ペーション 創元推理文庫 久山葉子 訳 第一部のエピグラフ。 「目には目を……」 第二部のエピグラフ。 「目には目を、歯には歯を……」 第三部のエピグラフ。 「目には目を、歯には歯を、手には手を……」 第四部のエピグラフ。 「…

「チビでデブで無能な警察官ベックストレーム・シリーズ」

「チビでデブで無能な警察官ベックストレーム・シリーズ」 レイフ・GW・ペーション 創元推理文庫 久山葉子 訳 『見習い警官殺し』。 犯人が分かった後、一人の女性が自殺する。 一通の封書を受け取ったことが引き金になって。 自殺だけれど、殺人でもあるよ…

「マリア・カッリオ巡査部長~警部 シリーズ」

「マリア・カッリオ巡査部長~警部 シリーズ」 レーナ・レヘトライネン 古市真由美 訳 創元推理文庫 マリアと、同僚のペルッティ・ストレムは、警察学校で同級生だった。 ペルッティの推薦で、同じ署で働くようになった。 けれど、人生は、真逆を行く。 ペル…