『戦中派不戦日記』
昭和20年。
23歳の山田青年は、新宿にある東京医学専門学校の学生だった。
その一年間の日記。
山田青年は、読書を欠かさなかった。
空襲を逃げまどった。
戦争中も敗戦後も、衣食住の苦労は尽きない。
時間も体力も気力も、生きることに消耗された。
けれど、読書し続けた。
この年に、山田青年は、奥様となる人に出会う。
「一人の少女が自分の運命に突如接近して来たのを感じた」
未来から、厚い黒い雲を突き抜けて、一筋の光が射してくるよう。