『アイル・ビー・ゴーン』
『アイル・ビー・ゴーン』
エイドリアン・マッキンティ
訳・武藤陽生
早川文庫
ダフィは、北アイルランドの問題解決の一助となるために、警察に入った。
仕事は出来る。行動力がある。コミュニケーション能力も高い。根気強い。運もある。
ただ、警察という組織にとっての最善の結末よりも、警察として自分自身が納得できる結末を求める性格。
「王立アルスター警察隊」から停職を言い渡されたダフィが、元の職に戻してもらえるならと、MI-5(英国機密情報部)の仕事を手伝うのが、今回。
ダフィの仕事が、「王立アルスター警察隊」では報われない感。
なんでか、イギリスの役に立っている現実。
結局、イギリスに使われている感。
…北アイルランドは、イギリスだけどね。
もはや、何のために警察に入ったのかが分からなくなっている感。
でも、最後、ダフィは、北アイルランドに残った。
闘う覚悟を決めた。
誰と?何と?
今回の一曲。
ダフィが、見張っていたIRAから逆に襲われた時に、ウォークマンで聴いていた一曲。
IRAのテロリストは、ダフィからウォークマンを借り、その一曲を聴いて言う。
「ジャニス・ジョプリンについて歌った歌だよ」。
そのテロリストの日記には、元奥さんの似顔絵が描いてあった。
彼の方から、離婚を切り出した。