『印(サイン)』

『印(サイン)』

アーナンデュル・インドリダソン

訳 柳沢由美子 東京創元社

 

終盤、分からなくなってしまった。

 

マリアは、本当は、母親を見なかったのか?

マリアの、「あれは事故だった」という言葉で、一気に分からなくなった。

バルドヴィンの、「あれは……、あれは……、マリアだったのか」の「あれ」は、何?

 

「気をつけろ……」という口寄せは、演技ではなかった…。

木戸の、男の幽霊(?)は、演技…?

 

 

エーレンデュルと元妻の再会のシーンは、地獄だった。

エーレンデュルが指定した場所は、うらびれた食堂。

なんでそこを選んだかというと、塩漬け肉がおいしいから。

互いに二度と会いたくない相手同士で、仲直りをしたくもない相手同士で、塩漬け肉を食べるつもりだったのか。

 

でも、元妻にとって、憎しみや怒りや悲しさをぶちまけたことは良かった。

そして、エーレンデュルが、それを受け止めたことも良かった。

 

そして、次の作品で、エーレンデュルと女友達が、別れているような気がする。

女友達が、休みに、一緒に海外旅行しようって誘っているのを分からないのかな。

分かって、自分にとってのエッフェル塔はハルドスカフイ(アイスランド東部のフィヨルド)だって答えたのかな。

 

 

今回は、エーレンデュルの同僚がほとんど登場しなかった。

でも次作はエリンボルグが主人公で、その次はシグルデュル=オーリが主人公。

楽しみ。

エーレンデュルの息子のシンドリが、飄々として好きなので、もっと出て欲しい。