『太田玉茗の足跡』

『太田玉茗の足跡』
原山喜亥 編著
まつや書房 2013年

田舎教師』のモデルとなった青年が建福寺に下宿した時、玉茗は30歳だったんだ。
もっと年齢がいってるイメージだった。
45~50歳くらい…。

青年が、玉茗夫婦が一緒にお風呂に入っているのを見てしまうシーンがある。
長年連れ添った夫婦をイメージしていたけど、違った。

青年が下宿開始したのが5月。
玉茗が婚姻届けを出したのが、同年11月。

新婚さんだった。

入浴シーンの味わいが変わってくる。


姪を心配する詩がある。
もう一人の叔父である花袋の小説「白い鳥」は、ある程度真実みたい。

姪は結核で、海の近くに転地療養して、そこで亡くなる設定。
どこの海かは書いていない。

玉茗は糖尿病で、海の近くに転地療養して、そこで亡くなった。
小田原の海。


「Mの葬式」の中で、花袋は、晩年の玉茗について書いていた。
宗派の組織の仕事がストレスで、命を縮めたという感じのこと。

年譜を見ると、50歳以降の出来事は、何の役員になったかの記載だけ。


玉茗の小説を読んでみたいなぁ。