『甲斐荘楠音の全貌』
東京ステーションギャラリー
三階の展示を観て、二階の展示の最後の一つ前が、「畜生塚」。
「畜生塚」の向いに、「畜生塚」に描かれた女性達のポーズを取る楠音の写真。
この組み合わせが、エロかった。
二階の展示では、スケッチ「座る女」がエロかった。
官能的とか、なまめかしいとか、肉感的ではなくて、エロい。
そういえば、楠音の絵に、「淫」な感じってないな。
このスケッチの時も、楠音は、女性の襦袢をまとって椅子に座ってみたのだろうか。
そして、エロい「座る女」の向いにあるのが、無表情な「歌妓」。
楠音らしさの、性的なもの、妖しさ、情念が無い。
「母の像」も、そんな感じだった。
この差は、何なんだろう。
楠音が、新聞や雑誌から切り抜いた写真を貼ったスクラップブック。
よく見えないし、ざっとしか見なかった。
でも一人、目についた。
田中角栄。