「警部補マルコム・フォックス シリーズ」
「警部補マルコム・フォックス シリーズ」
訳:熊谷千寿
だが、だめだ。やはり、考えられない。自分の暮らしに慣れ過ぎて、今の暮らしが気に入っている。うまくいかない……。
このセリフ、リーバスが言ってもよさそう。
フォックスとは、意味合いが違うけれども。
フォックスの家族の部分が良かった。
施設で暮らす父親と、妹と、自分。
3人とも、一人。
お父さんの奥様は、すでに亡くなっている。
そして、施設での仲の良い女性も亡くなった。
フォックスはバツイチで、恋人はいない。
妹のパートナーはDV男で、1作目の最初のほうで殺される。
フォックスにも妹にも、子供はいない。
互いに大事な家族だけれども、上手くいかないこともある。
2作目『偽りの果実』の最後の、フォックスとお父さんのシーン、好き。
家族と言えば、ヨハン・テリオンの『黄昏に眠る秋』の父と娘も、良かったな。
お父さんのセリフ。
「眠ることはない。横になって、待っているだけだ」
一作目は、『監視対象』