『ルポ 歌舞伎町』

『ルポ 歌舞伎町』
國友公司
彩図社 2023年

「東横キッズ」のいる場所って、渋谷だと思っていた。

「東横」と言えば、思い浮かぶのは「東横線」、「東急百貨店東横店」、「東横のれん街」だし。
…無くなっちゃったのもあるけれど。

それに、新宿に、「キッズ」のイメージがなかった。
「キッズ」という言葉に、漠然と渋谷を思い浮かべていた。


新宿歌舞伎町と地雷系ファッションの組み合わせにも、違和感。

地雷系ファッション、マイメロ、MCMのリュック…。
どれも知らないもので、ネットで検索した。

地雷系ファッションの女性は秋葉原にいそうな感じ。
新宿歌舞伎町っぽくない。
そして、風俗嬢のファッションっぽくもないような。


もうひとつイメージと違っていたのが、ホストクラブの客層。
イメージしていた客層は、実際には一割に満たない方の客層だった。


第五章に出てくるチャーリーの、女の子達への接し方が印象的だった。

説教一つせずに、彼女たちを肯定する。

執拗な付きまとい野郎からは守る。
でも、彼女たちに、「歌舞伎町」から出た方が良いとは言わない。

彼女たちの居場所だから?


本の最後に、これから、歌舞伎町における中国人社会を調べたいとあった。
あの扉は開けられるのか。

アフリカから来ている人々の「社会」は、形成されていない。
こちらは、調べても、どこまでもとらえどころが無いような。


あの扉に話が及んだ時の、人々の反応。
ナイジェリア人の、「生きることはサバイバル」という言葉。
人々は口を閉ざす。
ナイジェリア人には、語らないことが沢山ありそう。
怖い。


それにしても、歌舞伎町のあの辺りが再開発されることって、あるのだろうか。