『ルポ 歌舞伎町』
「東横キッズ」のいる場所って、渋谷だと思っていた。
「東横」と言えば、思い浮かぶのは「東横線」、「東急百貨店東横店」、「東横のれん街」だし。
…無くなっちゃったのもあるけれど。
それに、新宿に、「キッズ」のイメージがなかった。
「キッズ」という言葉に、漠然と渋谷を思い浮かべていた。
新宿歌舞伎町と地雷系ファッションの組み合わせにも、違和感。
地雷系ファッション、マイメロ、MCMのリュック…。
どれも知らないもので、ネットで検索した。
地雷系ファッションの女性は秋葉原にいそうな感じ。
新宿歌舞伎町っぽくない。
そして、風俗嬢のファッションっぽくもないような。
もうひとつイメージと違っていたのが、ホストクラブの客層。
イメージしていた客層は、実際には一割に満たない方の客層だった。
第五章に出てくるチャーリーの、女の子達への接し方が印象的だった。
説教一つせずに、彼女たちを肯定する。
執拗な付きまとい野郎からは守る。
でも、彼女たちに、「歌舞伎町」から出た方が良いとは言わない。
彼女たちの居場所だから?
本の最後に、これから、歌舞伎町における中国人社会を調べたいとあった。
あの扉は開けられるのか。
アフリカから来ている人々の「社会」は、形成されていない。
こちらは、調べても、どこまでもとらえどころが無いような。
あの扉に話が及んだ時の、人々の反応。
ナイジェリア人の、「生きることはサバイバル」という言葉。
人々は口を閉ざす。
ナイジェリア人には、語らないことが沢山ありそう。
怖い。
それにしても、歌舞伎町のあの辺りが再開発されることって、あるのだろうか。