「マリア・カッリオ巡査部長~警部 シリーズ」

「マリア・カッリオ巡査部長~警部 シリーズ」

レーナ・レヘトライネン

古市真由美 訳

創元推理文庫

 

マリアと、同僚のペルッティ・ストレムは、警察学校で同級生だった。

ペルッティの推薦で、同じ署で働くようになった。

 

けれど、人生は、真逆を行く。

 

ペルッティが主人公だったら、良かったな。

一緒に働くのは無理だけれど。

 

『雪の女』

『氷の娘』

『要塞島の死』

 

 

 

 

 

夜久一

2021年11月10日(水)

亀有 KIDBOX

夜久一

 

「ブルー」から始まって「花屋の二階」だった。

 

空気の振動が細かくて、ギターの残響(?)に、羽毛や触手やムートンが思い浮かんだ。

やっぱり、ライブは配信より現場!と思った。

 

でも、現場ライブだからというだけではない。

店内が、アコギの森になっていたからだ。

 

見上げれば、ヘチマ棚ならぬ、アコギ棚。

 

『女神』だったけ。

「あの娘」に、愛おしさを感じた。

なんでか、思い出すことのなかった歌。

ライブに来られて嬉しいぞ。

 

去年の2月のライブで、聴けるかなと期待して叶わなかった、『約束』を体験できた。

 

ただ、この一年ほど、北欧辺りのミステリーばかり読んでいるため、雪の上に血痕が見えた。

50代後半と思われる男性が、路上に、うつぶせに倒れている。

ツィードのジャケットを着ている。

 

刑事の私は、この季節、ツィードのジャケットだけでは外出しないだろうと不審に思う。

 

もし、『約束』というタイトルの殺人事件小説があったら…。

ストーリーは思いつけないけれど、とても悲しい物語だろう。

 

AZUMIさんは、『されど私の人生』だったな。

 

「あずみの森」以上に、鷲見さんと夜久さんのギターの話しが分からなかった。

でも、夜久さんのソワソワと落ち着かない感じは伝わってきた。

 

次の夜久さんのライブで、新しいエレキに会えるのかな。

 

夜久さんのライブ、音が…。

ギターの? 声の? 両方の?

よく分からないけれど、とにかく音が、豊かになっている。

 

音楽に無知な私が言うのは恥ずかしいけれど、夜久一というミュージシャンが音楽で表現する世界は、どんどん美しくなっていく。

 

20年目の夜久さんの音楽は、どんな感じになっているんだろう。

 

 

 

「あずみの森16 特典」

「あずみの森16 特典」

 

ワシ、滅茶、楽しそう。

歯見せて、笑ってる。

 

これは、2018年10月15日(月)、新宿ラバンテリア。

播州ギター極道大暴れ 新宿死闘篇』。

 

台風で流れた、翌年10月12日(土)のフライヤーを持っている。

播州極道vol,2[新宿激闘篇]』。

副題は、「狂い咲き 姫路工業高校1組対9組!!」。

 

昨年12月の『播州極道vol,3』のフライヤーのコピーはどんなんだったんだろう。

 

お父様の言葉、好き。

「ギターみたいなもん、宇宙から指令がくるやろ」

 

あの頃から3年。

AZUMIさん、この世で一番大事なものは何か分かっただろうか。

 

このライブの時、先攻後攻を決める、姫路の変なジャンケンがあった。

あのシーンも見たかったな。

 

播州ギター極道の4回目には、参戦できますように。

 

 

「あずみの森16」

「あずみの森16」

 

ストレートな感じ。

 

初めて行った頃のAZUMIさんのライブは、こういう感じだった。

 

12年前の、ちょうど11月。

 

その翌日…と思ったけれど、翌週の土曜日に、ニューギニア帰還兵展へ行った。

そして、三橋國民さんの『鳥の詩』という本を読もうと思った。

 

そのまま、12年間、忘れてしまっていた。

今日、ポチッと購入した。

 

ニューギニア帰還兵展は、下落合であった。

帰り、高田馬場まで歩いた。

 

通りかかったお寺に入って、狛犬を見たら、「御堂筋」が浮かんだ。

「あ から ん までの」だけれど、「あ から うん までの」って。

 

秋晴れの、気持ちの良い日だった。

 

 

「フルダ・ヘルマンスドッティル警部 シリーズ」

「フルダ・ヘルマンスドッティル警部 シリーズ」

ラグナル・ヨナソン

吉田薫 訳

小学館文庫

 

「アリ=ソウル シリーズ」の時系列な最後は、前向きな告白だった。

愛する人に、自分をさらけ出せない理由となっている出来事を伝えよう、という決心。

 

「フルダ シリーズ」では、秘密は、墓場(?)まで持っていくことになる。

 

全三作が完結した後、三冊目の著者のあとがきの後に、短い短編が添えられている。

老女が、犯した罪を、告白をする。

 

生き延びるためには、法を犯すしかなかった。

法を犯したことに後悔は無いが、過去は消えないし、罪の意識が芽生え増殖していく。

 

法の番人であり人間である警察官や検察官にとっての、法と正義、法と情状酌量

人として許せない出来事。

 

老女が告白(懺悔)の相手に選んだのは、アリ=ソウル。

 

この短編を読んだ後、アイスランドの厳しい冬がイメージされた。

実際は、想像が及ばないくらい、厳しく暗い世界なのだろうけど。

 

ラグナル・ヨナソンの作品にも、アーナルデュル・インドリダソンの作品にも、そんな世界で、一人で、秘密を抱えて生きる人たちが出てくる。

 

「フルダ シリーズ」の時系列の最後は、一作目に描かれる。

その最後のことを、二作目、三作目で何度か思い出させられる。

 

絶望的に孤独。

 

三作目。

電気も止まる猛吹雪さなか、ポツンと一軒家への見ず知らずの訪問者は、怖かった。

 

くつがえされるのだけれど。

 

くつがえされて、また怖いのだけれど。

 

この作家の登場人物たちは、近しい存在同士であっても、愛し合っていても、隔たりがある。

 

『闇という名の娘』

『喪われた少女』

『閉じ込められた女』

 

 

 

「警察官アリ=ソウル シリーズ」

「警察官アリ=ソウル シリーズ」

ラグナル・ヨナソン

吉田薫 訳

小学館文庫

 

簡潔。

 

ジャン・コクトーの、一筆書きみたいなデッサンを思い出した。

あんな風な、描写。

 

陰影は無いけれど、無駄なく的確。

登場人物たちが隠した闇が、生々しい。

 

アリ=ソウルの父親が失踪した理由が書かれた作品は、翻訳されていない。

翻訳して欲しい。

 

暗い夜を人は

過ごさねばならぬ

長い闇が

ひとたび始まれば

静かに耐える

その深い重みに

これは神の賜(たまもの)と

人は言う

 

賢者ヨウン・グズムンドソンという人の言葉。

 

作者の祖父が書いたシグルフィヨルズル物語』の、冬が終わり春がやってくる一節も良かった。

 

耐えられなくて、飲酒に依存する自分を反省…だけなら猿でもできる。

冬が厳しく長い北欧では、アルコール販売の規制は、絶対に必要なんだろうな。

 

『雪盲』

『極夜の警官』

『白夜の警官』

 

 

 

 

「テオドル・シャッキ検察官 シリーズ」

「テオドル・シャッキ検察官 シリーズ」

ジグムント・ミウォシェフスキ

田口俊

小学館文庫

 

『もつれ』

 

「ファミリー・コンステレーション・セラピー」のシーンが、不気味。

 

Constellationは、「星座」のこと。

家族を、星座に見立てている。

 

グループ・セラピーで、一人の参加者の家族を、他の参加者が演じる。

 

セラピーの主人公となる参加者は、自分の位置を決め、他の参加者を配置していく。

父親役の参加者はここへ、別れた妻役の参加者はここへ…という風に。

 

死んでしまった家族、先祖や、血縁者も出てくる。

 

参加者は、心に、解決できない問題を抱えた人たち。

だから、楽しい思い出話に花が咲くことはない。

 

セッションが白熱した後、患者が突然セラピーを止めてしまうことは、あることだそう。

 

 

『一抹の真実』

 

ポーランドには、第二次世界大戦後、反ユダヤ運動というものがあった。

ほとんどのユダヤ人が、ポーランドを出た。

 

イスラエルへ。

 

…ガザ。

 

 

『怒り』

 

「怒り」は、シャッキの娘が、父親を表現した言葉。

 

シャッキは、「怒り」というより「キレる」だと思う。

そして、自分の心には、もう一つ、「悲哀」という感情が大きくあると思う。

命のはかなさに対して感じる「悲哀」。

 

最後のシーンのシャッキの感情は、なんだろう。

 

ここに出てきた事件は、これからどのように解決され、或いは未解決とされるのか。

その中で、シャッキの感情は、どう変化していくのか。

 

とても興味が湧く。

 

だというのに、これで検察官シャッキの冒険は終わる。

悲しい。