AZUMI
2021年11月27日(土)
入谷 なってるハウス
AZUMI
パッチワークのようなインストの後、楽しみにしていた歌の一曲目は、「あとはゆっくり眠るだけ」だった。
やさしい始まり。
「まぼろし」、「水のにおい」、「ここにだけ」、「ヨシロー」に、河(川)を想った。
「ヨシロー」に川は出てこないけれど、「あずみの森」で見た、川沿いを進む映像が浮かんだ。
あの映像が、「ヨシロー」のものだったかどうか定かではないけれど。
あの映像の川は、何川なんだろう。
アコギの「ヨシロー」、激渋カッコイイ。
桜川は、道頓堀川のちょっと南側にあった。
17世紀末に掘られて、大正4(1915)年に埋められた。
埋め立てられて、今の千日前通りになった。
AZUMIさんのおじい様は、材木が浮かぶ桜川を目にしていたかもしれない。
以前、新潟でライブを楽しんだ後、ホテルに戻るために萬代橋を渡った。
渡っている時、突然、両親のことを思い出したことがあった。
母親は、この橋を渡って、父親のところにお嫁に行ったんだなぁと。
タクシーの運転手さんが出てきた時、「誰だろう」と思った。
あっちの世界へ行った誰かが、運転手さんになっていると思ったのだ。
でも、そうではなかった。
運転手さんの最後の言葉、「地獄にもお連れします」みたいなの、怖かった。
お客さんが「地獄」という行先を指定するのではなくて、勝手に連れていかれる感じがして。
幽霊を乗せてしまったタクシー運転手さんの怪談は、聞いたことがある。
運転手さんが幽霊というタクシーに乗ってしまった、という怪談はあるのだろうか。
乗ったら、どこに連れて行かれるんだろう。
「夢見るベランダ」を、ライブで初体験。
これは、「あずみの森」の、「ザ・たこさん」回のおかげ?
「シスコ」と同様、愛おしい歌。
やっと実物を見ることができた新しいエレキは、ずっと脇に控えていた。
エレキは、最後に2曲。
最後の歌は、初めて聴いた。
「左の胸」、「左の手で握手」から始まった。
その後、どう展開したんだっけ。
絵本『めがさめた』を購入した時、常吉さんのライブに行っているのかと聴かれた。
現在形だった。
だから、現在形で、「行っている」と答えた。
帰り、地元の駅に降りて、煙草ではなくてお酒を買うためにコンビニに入ったら、客は私だけだった。
そして、一本道を歩いている時も、誰もいなかった。
橋の上で、北東の、街に触れそうな低い位置に、大きい下弦の月を見た。
柿色を思うくらい、熟した感じの濃い黄色だった。
橋の下に川が流れていると、今夜のライブの締めにちょうど良かったんだけれど、橋の下は線路。
それにしても、AZUMIさんのアコギの音、凄いな。
なんで、ボリュームとかのツマミもなくて、エフェクターにも繋がっていないのに、あんな色んな、あんな迫力のある、あんな幅のある、あんな深い音が出るんだろう。
2年ぶりの、AZUMIさんの生ライブ。
幸せ。