「レオ・デミノフ 三部作」
T・R・スミス
一作目のレオ・デミノフは、スターリン体制下のソ連の、国家保安省の捜査官。
二作目、三作目と、職業は変わっていく。
登場シーンのレオが、最後のシーンのレオになるまでの、約30年間の物語。
レオが経験する艱難辛苦がすさまじいけれど、荒唐無稽で終わらない。
読み終わった時、「どうか、ソヴィエト政府が、この保証だけは覆しませんように」と祈らずにはいられなかった。
レオとネステロフによる「モスクワ殺人課」の事件簿を、小説化してくれないかなぁ。
これを読む前に読んだショーン・ダフィ物は、ずっと音楽が流れていた。
レオ・デミノフ物は、三作目で、初めて音楽が流れる。
二人の、アメリカの黒人歌手の歌。
一人は、サム・クック。
流れた歌のタイトルは、書いていなかった。
もう一人は、架空の歌手、ジェシー・オースティン。
ポール・ロブスンというオペラ歌手が、モデルだそう。
知らなかった人。
凄い声だ。
「deep river」は、訳すと「深い河」だ。
『チャイルド44』
『グラーグ57』
『エージェント6』