『創作』
著者不明
円盤
何度か探して、見つけることができないでいた。
昭和30年代か40年代の、小説家を目指す青年の日記。
(実際は、昭和48年~昭和50年だった)
高円寺・円盤さんのtwitterを覗いたら、一冊の本が紹介されていた。
「これだ」と思った。
タイトルに、「日記」という言葉が付いていると思い込んでいた。
まさかの、『創作』。
これ、どんな経緯で活字になったのだろう。
私は、新聞で、この本の存在を知った記憶がある。
多分、朝日新聞。
でも、いつのことだったか、分からない。
記事の内容も、覚えていない。
どうして読みたいと思ったのかも、忘れてしまった。
日記には、青年が読んだ本のタイトルが、たくさん記されている。
最初に出てくる『砂漠の思想』は、安倍公房の作品。
最後の、『戦慄すべき明日の姿』は、誰の著書なのか。
架空の書か。
青年は小説家を目指しているのだけれど、そのために何をしているのかは、見えない。
落ち着かない暮らしと、ギャンブル。
虚無感が、漂う。
行きつく先は、「戦慄すべき明日」かもしれない。
「小説家になる」ことを理屈に生きてきた青年。
最後、また新たな理屈に縋っていくような感じ。
著者は、どんな人なんだろう。
新聞に載っていた記事も、再読してみたい。